幼稚園教諭の「知らなかった幼稚園情報」>幼稚園の状況

幼稚園の実態

表面的な姿だけでなく、その真の実態を知ってほしい



 
意外と知らない「幼稚園の実態」。 表面的な姿だけでなく、その真の実態を保護者にも知っておいてほしい・・・。 大切な子どもが通っているんだもの。
そんな思いを込めて、幼稚園の見方・情報をお伝えしています。

1.幼稚園のおかれている現状
2.幼稚園の職員数
3.幼稚園の職員の男女比
4.幼稚園での子育て支援
5.幼稚園での防犯意識





 


1.幼稚園のおかれている現状

「子どもとかかわることだけじゃない」

これは、幼稚園のお話です。





幼稚園ってのは、意外と目に見えにくいところに問題をかかえています。
そしてその問題の多くが、直接子どもとかかわることではない、違うところにあることが多いのです。

例えば、財政面や人事面・職員関係面、施設環境面など、少子化・財政難で少ない職員数の中、その問題はなかなか解決されないでいます。









幼稚園での最優先事項は、もちろん「保育(教育)」。
ですので、日々の保育準備、行事への取り組みの活動におわれ、子どもと関係しない職員面の 課題はなかなか解決されず、なおざりにされ続けていることが多いようです。



その結果、
「幼稚園教諭の仕事は、多くの人が想像する以上にキツイ!」

「こんなにキツイなら辞めてしまおう」
っと考える幼稚園教諭も少なくありません。


このままでは、病に倒れる幼稚園教諭も増加してくるはずです。



幼稚園には、見えにくい課題が隠れている。
今後の幼稚園のためにも、そのことを少しでも知って欲しいのです・・・。


ここがポイント!

 幼稚園は、保育時間が短い「=仕事時間が短い=ラク」というわけではありません。子どもとかかわる仕事だけでなく、それ以外の仕事の方が多くあるからです。
また最近では、子どもとかかわる仕事(保育)にも、新たな課題が生まれ始めています。
 まず、そんな幼稚園の実態」を多くの人に知ってほしいんです


幼稚園が危ない―変わる時代の子育て教科書
  幼稚園が危ない




 



 

2.幼稚園の職員数

幼稚園教諭の仕事は、多くの人が想像する以上にキツイ

その理由は、
まず幼稚園は、職員の数が少ない! から・・・。



幼稚園の多くは、1クラス1人担任制。
 (幼稚園は子ども35人以下に保育者1人。

 (ちなみに保育園は、複数人での保育。
 (0歳児:子ども3人に保育者1人、
 (1・2歳児:子ども6人に保育者1人、
 (3歳児:子ども20人に保育者1人、
 (4・5歳児:子ども30人に保育者1人。




でも毎日の、通常保育をしているだけなら、人数の少なさはさほど問題になりません。






しかし!

園行事の運営となると、それはもう大変です




担任の主たる仕事は、もちろんクラスの保育運営なのですが、園行事を運営する為には、担任も含め園の職員全員がそれぞれの役割を持って、行事を組み立てて行きます。

例えば、運動会。

運動会では、園児が行う種目の他にも、父母競技や卒園児・未入園児、有志リレーなどの種目がありますよね。 これらの企画運営も当然、担任(園職員)の仕事です。



こうなると、園の職員数がものを言ってきます・・・。






少人数の担任がそれを担っていくのですから、当然、勤務内容はハードになり、勤務時間も長くなります。
→(幼稚園教諭の仕事は、多くの人が想像する以上にキツイ!その他の理由は、勤務時間が長いこともあります。「幼稚園教諭の勤務時間はこちら」に掲載。






ここで保育園と幼稚園の職員数の差を比べてみましょう。
園児120人程度で比べてみましょう。

幼稚園の場合、3〜5才児で担任が3人。
他に、理事長・園長・教頭(副園長)・主任他のみ。
園全体では、10数人。多くても20人は行きません。

保育園の場合、0〜5才児で担任が13人。
他にも、時間外の先生もたくさんいる為、園全体では35人以上にはなります。


幼稚園が35人に1人に対し、保育園が(4・5才児で)30人に対し1人となっています。
また、保育園では6学年みているため、その分保育者の人数も増えるんですよね。









また、幼稚園は、人によって仕事量の差が大きいのも目立ちます


出来ること、得意不得意、経験年数など、仕方のない部分もあるのですが、職員数の少なさ・常にギリギリの状態で仕事分担をしている点などから、出来る人に仕事がいきやすい環境が自然と成り立っていってしまいます。






ここがポイント!

 幼稚園の先生たちは、少ない人数の中で、保育から園備品管理まで多方面の仕事を分担しています。
 もちろん、慣れない仕事・教育課程で教わることのない(予想もしなかった)仕事をやることも・・・。

「これも担任がやるの!?」 という仕事も、しばしば。。。


人数の少なさから、保育の準備・個々の記録(保育に生かす記録の書き方)・自己啓発などがおろそかになることもあり、「日々の保育をただ過ごしていくだけ」という悪循環に陥ることもあります。



これらの解決は容易ではありませんが、上司のリーダーシップが重要であるだけでなく、個々の幼稚園で働く意識もキーポイントになってきます。

→幼稚園が危ない





 



 
3.幼稚園の職員の男女比

平成18年度の幼稚園職員全体の男女比率(*1)は、

「女性93.8%」  「男性6.2%」。




しかし、この数値から「教諭」のみの割合を出してみると・・・

「女性79.0%」  「男性1.7%」。



なんと、男性教諭は1.7%です!
実は、幼稚園職員の男性割合は、ほとんど、園長・教頭・講師なんです。



この比率の少なさは、
男性トイレやロッカーのない幼稚園が多くある。という問題が教えてくれているようですね・・・。




また、幼稚園は男性がまだまだ少ないというだけではありません。
幼稚園での平均勤務年数(*2)は

私立で「8.4年」。


これは、性別は関係のない数値です。


幼稚園で働いたことのある人&幼稚園教諭に知り合いがいる人は「辞めるに妥当な年かな」という感想を持つのではないでしょうか・・・。
また、その退職理由(*3)を見るとさらに「納得」してしまいます。

幼稚園全体の20%が、そして男性では25%が「転職のため」を退職の理由にしているのです。
これは、男性が幼稚園で働き続けていくことの難しさをあらわしているのではないかと思います。



男性が続けていくには難しい仕事環境・待遇面がある。
だからこそ、

全体で「6.2%」しかいない中の5人に1人が「転職」を理由に辞めざるを得ないのではないかと感じます。





(*1) 平成18年度学校基本調査 職名別教員数(本務者)
(*2) 本務教員の平均勤務年数(平成16年度学校教員統計調査)
(*3) 同調査の(離職の理由別離職教員構成) 

ここがポイント!

保育園では、「保育士」への名称変更と共に認知度も高まり、また、待遇も公務員におおむね近いという側面から、男性保育士が増えてきていますが、幼稚園では、まだまだ男性に厳しい職場です。

保育所同様、必要性はあるのですが、体制が追いついていないのが現実です。









 



 
4.幼稚園での子育て支援

幼稚園で子育て支援・・・
これらの本、知ってますか?
もう一つの子育て支援 保護者サポートシステム 幼稚園の2歳児の保育と子育て支援 子育て支援システムと保育所・幼稚園・学童保育

「子育て支援が親をダメにする」なんて言わせない
「子育て支援が親をダメにする」なんて言わせない

ここがポイント!

 幼稚園での2歳児保育や、預かり保育(延長保育)の実施など、受け入れ年齢・保育時間が、保育園に近くなってきています。


 



 
5.幼稚園での防犯意識/防犯訓練、避難訓練の持ち方

最近の、無差別的な事件、特に大阪池田小事件移行、幼稚園でも防犯に対する意識は高まってきています。


防犯訓練をしたい・・・

でも、具体的にどうしたらいいか分からない。



そんな時は、警察署に相談してみましょう

とりあえず、「防犯についての話をしてもらいたい」 「不審者対応の防犯訓練を実施したい・指導してもらいたい」 っということを、最寄の警察署生活安全課に行けば、講師の派遣が出来ます
もちろん、お巡りさんが講師として来てくれます。
( 防犯訓練の実施に向けて、警察官の講師依頼が出来ます。)


しかし、
講師の依頼をする際には、事前に生活安全課の担当者と打ち合わせをし、了解をとる必要があります。まずは、電話で趣旨を伝え、警察署に行きましょう
(電話なしに警察署に相談に行くと、「いま昼休みだから、アポとってまた来てください」って態度の悪い警察官に、無愛想な態度で冷たく門前払いされます。依頼でなく相談するだけでも電話アポが必要という、団体には冷たい千葉県警察の実態です・・・(事実☆)
 


そして、
電話でアポをとり、担当者と相談(打ち合わせ)する時間がとれたら、担当者に「署長宛に依頼文を書くように」言われると思いますので、後日、警察署署長宛に依頼文書を提出しましょう





その「警察署署長宛防犯訓練依頼文書」の書き方(見本)については 以下を参考にしてみてください。

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こちら → 防犯訓練依頼文書(見本)- bouhanirai.doc - (ワード形式)

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生活安全課では、
職員(大人)向けでも、子ども向けでも、防犯についての訓練や話を実施してくれます。


子ども向けに企画・実施した場合、
子ども向けの「防犯・安全チラシ」をくれたり、その他おみやげ(消しゴムをもらえました)をくれたりしますので、どんどん依頼して、防犯についての意識を高める手段として警察署を活用してみてください。



ちなみに、
子どもを対象にした防犯の話を依頼する際に、「制服で」と頼むと、制服で着てくれますよ。
(一緒に写真をとってもらうことも出来ます)


大人向けの不審者対応訓練では、
制服できてもらう意味があまりありませんが、子ども向けには効果絶大です。





ちなみに、ちなみに、
パトカーで来てもらうのは、結構ハードルが高いようです・・・。


ちなみに、ちなみに、ちなみに、
白バイで来てもらうには、 さらにハードルが高いようです・・・。













さて、話を変えて
ここからは、職員(大人)向け防犯訓練の話をしましょう。



もしも、幼稚園・保育園や学校に、不審者が侵入してきた場合どうするか!?、
答えは、

 子どもも先生も、誰もケガをすることなく、不審者が警察に捕まることが一番の「解決」です。



しかし、実際、事件が起こってしまうと、誰もケガをしないということは、過去の事件事例からみても、容易なことではありません。

ですので、これは、とても悲しいことですが、「不審者が侵入してきた場合の対処法」を訓練しておく必要があります。


事件が起こらない為の活動」を通して、事件発生を未然に防ぐことが重要なのですが、それでも、これを日頃から訓練しておく必要があります。


「不審者が現れたら、どう動くか、どう知らせるか、どう守っていくか。」を訓練しておかなければ、もし事件が起きてしまった場合に、対応できません


先生はもちろんのこと、子どもにも不安を与えすぎない程度に、「知らない人がいたら、先生に伝えること」や「呼ばれたら、すぐに集まること」など等、不審者侵入に対する対処法の意識を高めておくことが、大事です。








ただ、一番難しいのは、

  不審者の定義  です!



不審者は、男なのですか?
不審者は、刃物を持っているのですか?
不審者は、スーツを着ていないのでしょうか?
不審者は、フェンスをよじ登って来ますか?
不審者は、ヒゲをはやして風呂敷をかぶっていますか?


分かりやすい不審者像なんてありません。
不審者は、悪い奴だ!っと先入観・先入イメージを持ってしまうと、
日々の生活の中で、真の不審者を見落とすことになってしまうかもしれませんよ・・・。

そんなことも頭に入れておいてくださいね☆



子どもを守るためのバイブル

子どもを守るために、何をすればいいのか。
簡単で、読みやすい本を紹介します。

 → 「子どもを守るためのバイブル 」 ¥1,260 (税込)


この本は、
空手家の方が執筆されていることもあって、不審者に遭遇した際の防衛策が載っています。
(例えば、腕をつかまれた時の振りほどき方  など)

子どもにかかわる事件や事故についても幅広く書かれていて、防犯関係の本の中では、読みやすい内容になっています。
親子で読めて・実践できる内容がGOODです☆


「子どもの防犯」について考えるには、かなりオススメできる一冊です。







他にも「子どもの安全・防犯」に関する本を参考にしてみて下さい。
ぜひ、園で・学校で・親子で読まれることをお勧めします。
   → http://www.child-life.jp/sun/book/bouhan.htm


また、これらの本もぜひ、一度は読んでみてください↓
幼稚園・保育所安全保育と事故事例

幼稚園・保育所における子どもの安全

保育所・幼稚園で事故が起きたとき―対応と安全管理

ここがポイント!

 子どもを守るには、大人も傷ついてはいけないことが基本です。
「身をもって・・・」も大切かもしれませんが、もっと大切なことは、「全員が無傷」であること。

また、日ごろの地震や犯罪のニュース等があれば、さりげなく、子どもたちに「こんな時はどうする・・・」という話をしておくことも大切です。


年に数回だけの防犯訓練では、ほとんど意味をなしません。

日ごろ、どのように子どもも大人も意識を持てるかがカギになると思います。 暗に怖がらせずにねっ。


 





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