幼稚園バスによる重大事故はなぜおこるのか |
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頻発する、幼稚園バスによる子どもとの接触重大事故を考えます。
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はじめに |
2007年6月6日(水)兵庫県西宮市で幼稚園バスが、園児の兄弟をひいて死亡させるという事故が発生しました。運転手は70歳とのことでした。
この事件をきっかけに、幼稚園バスと運転手について、再度見つめ直した方がいいと思いましたので、今回はこの話題にします。
ぜひ、このページを読んだあと、感想をいただけたらと思います。
幼稚園バスの運行には、現在3つの問題があるように思います・・・。
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1.幼稚園バスは旅客運送でないのか!? |
あなたの知っている幼稚園バスは、バス代を徴収していますか?
もし、徴収しているのであれば、旅客運送の該当範囲内であるので、自動車免許は2種が必要になります。
本来ならそう考えるのが妥当だと思うんです・・・。
しかし、現在の日本の法律は違います。
幼稚園バスは、いくらバス代を徴収しようと、営業目的ではない運行とみなされ、2種免許の範囲外になり、1種免許で運転できます。
(たいがいの幼稚園は「バス代3000円」などと、有料で運転しています。)
そして、これは、
バス代として徴収していない、スイミングスクールや自動車教習所などの、ただの送迎と同じ分類になります。
バス代とってる幼稚園バスと、無料のプールバスが同じ1種免許で運転されている・・・。
これは、おかしいと思いませんか?
2種免許は必要ないというのは、バスの運転資格がなくても、バスの運転が出来るということなんですよ・・・!
ここに幼稚園バスにおける重大事故発生の問題点があるんです。
お金をもらって客を乗せて運転しているのに、旅客運送とみなされず、法律的にはグレーゾーンに幼稚園バスはあるのです。(だから、バス代を徴収していても、白ナンバーですんでいるのです)
普通、人を乗せて走るには2種免許が必要だと考えますよね。
でも、幼稚園バスは必要ないんですよ!
まして、乗せている乗客は、黙って座っていられる大人ではありません。
座席に頭をぶつけやすく、1人でじっと座っているのも決して安心できない子どもが乗っているのです。
大人よりも運転する時に客席に向けた集中力を要するのが、幼稚園バスなんです。
なのに、旅客運転技術を何も知らない1種免許の者が運転できるのは、危険ではないかと・・・。
ここでこのサイトが、1種免許と2種免許の違いを声を大きくして訴えているのは、この2つの免許の間では法律解釈がまったく違うからなんです。
解釈が違うとは、どういうことか・・・。
それは、左折方法を始めとしていろんなことが、1種免許と2種免許では違うんです。
もっと言うなら、2種免許では、法律にそって、キチッキチッとやらないと免許は取れないんですよ。
また、常に旅客を意識し、バックミラーで乗客の状態を確認しながら運転することが要求されてくる免許になります。
1種免許の時、バックミラーでチラチラ後ろを見ていたら、きっと、「危ないから、そんなに後ろ気にしなくて良い」なんて言われるでしょうね・・・。
それくらい、1種免許と2種免許では、運転知識と注意を向ける所への違いがあるんです。
(技術的には、トラックを何年も運転してきた方が上手いと思います。でも、2種免許を持っていない人は、バス停での停車1つをとっても、縁石から離れすぎていたり発車時の乗客の安全確認をしなかったり、客の安全を考える基本を学んできていません。
ただ「2種免許を持っていれば、重大事故を起こさないのか・・・」。
そうとも言い切れません。事故は、相手がいる以上、絶対はありません。
ただ、大切なことは、乗っている子どもを意識して運転する大切さを持っているかどうかなんです。
どんなに歴史があり、大きな幼稚園であったって、関係ありません。
2種免許所持者の社員より、経費のかからない1種免許しか持たない派遣運転手に運転手をシフトする大学付属幼稚園もあるくらいですから・・・。
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ここがポイント!
少子化のなかでの幼稚園運営。
コストもからんで、正直、何をしているか分からない部分もあります。
グレーであり、違法ではないので、指摘するのは、地域の目!
あなたの一声で、重い腰をあげるかもしれませんよ・・・。
運転手の免許の種類、年齢、聞いてみませんか?
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2.幼稚園バス運転手は、子どもの特性を知っているか |
幼稚園バスの運転に大切なのは、子どもの特性を知った上で運転するということです。
たとえイスに座っていても、いきなり動き出してしまう子どももいるし、すぐに後ろを向いてしまう子もいます。窓が開いていれば手を出すのは朝飯前!
それが、子どもです。
そんな「子ども」という特性を知っているのかどうか・・・も、重大事故を防ぐための要因になります。
また、幼稚園バス運転の難しさは車内だけではないんです。
ここが路線バスとは違う大きな難しいポイントになるところです!
幼稚園バスは路線バスの運転より難しい!
それは、バス停にはほとんど2才以下の子どもが待っているという点です。
やっと歩き始めたばかりの子どもだって、たくさんいます。
幼稚園バスで起こる重大事故の場合、そのほとんどが、園児でない子どもをひいてしまうという事故なんです。
走行中の巻き込み、発車時の接触。
幼稚園バスの運転では、発車・右左折時に、車内外の確認が必要なんです。
常に、いろんなところに注意を向けている運転が必要になります。
さらに困るのが幼稚園バスには、子どもが寄ってくるという点です。
路線バス運転より難しい点がここにあります。
そして、ここに2つ目の幼稚園バスにおける重大事故発生の問題点があるんです。
たとえば、小学校の通学路内を園バスが走行する場合、最徐行で進んでいきますが、最徐行で進行すると、通学路を歩いている子どもがいた場合、バスに近寄り触ってくるドアホがいるんです。
バスの横を走って追っかけてくるヤツもいます。
急に前を横切る子どももいます。
興味本位や卒園児などさまざまですが、こいつらがまた厄介なんです。
(路線バス運転では、まずこんなことはありません。)
そんな子どもを相手に、急ブレーキをかけて車内事故・・・。ありえない話ではないです。
そんな子どもを相手に、重大接触事故発生・・・。ありえない話ではないです。
幼稚園バスを運転するさいには、 「乗っている子どもにだけ注意を払えばいいというわけではない」、 「幼稚園バスの周りには子どもがたくさんいる」「幼稚園バスに、子どもはよってくる」ということを頭に入れておかなければならないんです。
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ここがポイント!
私は路線バスと幼稚園バスのどちらも勤務したことがありますが、やはり幼稚園バスの運転は、路線バスの運転より難しいです。
このことを知っている幼稚園経営者はどれくらいいるのでしょうか?
たかがバス送迎。
でも、子どもの命を運び、保護者と幼稚園を結ぶ大切な部分。
幼稚園も、保護者も、運転手も、いま一度、意識を高める時ですかね。
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3.幼稚園バス運転手の年齢 |
3つ目の幼稚園バスにおける重大事故発生の問題点は「年齢」にあります。
「ニュース 幼稚園バス 事故」とgoogleで検索してみてください。
幼稚園バスの事故の特徴は、その年齢です。
運転手自体、路線バスと比べ、60歳以上の割合が多いのが現状です。
しかし、
「アクセルとブレーキを踏み間違えた」といって、お年寄りが人を殺してしまうというニュースを、あなたは何度聞きましたか?
75歳以上の運転手には、「高齢運転者標識(シルバーマーク)」が必要になるくらいなんですよ。
個人差があるので、あまり、年齢のことは言いたくありませんが、70歳〜74歳は努力義務ですので、70歳とは、そういう年齢になるんですよ。
タダでさえ、子どもの泣き声だったり、話し声だったり、時には、いきなり動き出してしまう子どももいたりする幼稚園バス。
今回の事故のように、バス停には、やっと歩き始めたばかりの子どもだって、たくさんいます。
バス内外において、安全意識を集中させておく必要があるんです。
決して、年をとっているから事故になった、若いから事故はないと言っている訳ではありません。
事故は誰でも起こしうること・・・。
ですが、集中力を大きく必要とする幼稚園バスにシルバーマークが貼ってある・・・。
私は、そんな園バスに我が子を乗せたくはないかな・・・。
ただ、運転手がいくつなのか、免許は1種なのかなどという情報は、多くの園では一切保護者に与えられない。
そこが怖いんです。
現在、多くの園で、今まで園で雇っていた幼稚園バス運転手の定年時期を迎えています。
園によっては、園バス運行自体を外部に委託したり、運転手に派遣会社から来てもらったりするようになってきています。
運転手の交代が起きています。
しかし、他の会社で働いていて定年を機に運転の派遣会社に入り、幼稚園バスの運転をするという流れも起きているのも事実です。
今までの運転手の退職→それを機に派遣会社への委託→65最以上ペーパー運転手の増加。
まして、団塊世代の一斉退職時代。
退職後は、幼稚園バスの運転手に・・・っと考えている人も少なくないようです。
まぁ、それは良いのですが、せめて2種くらいはとってくれ!っと、願うばかりです・・・。
社員としての運転手がいなくなり、小さな事故でも運転手の派遣交代が頻発し、幼稚園バス独特の注意点を含む運転技術の受け継ぎ、運転士の技術向上がなされにくくなっている現状があります。
あなたの幼稚園バスを運営している幼稚園に対する声が、この状況を変えるはずです。
ぜひ、意識を・・・!
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ここがポイント!
今回の事件は、行政・警察・そして幼稚園自体が、このような結果を招いたとしても過言ではないほどの、状態にあるのだと感じます。
今一度、あなたの知っている幼稚園を、見つめ直してみてください。
ほったらかしでは、このような事故は減りません。 |
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4.幼稚園バスのシートベルト |
幼稚園バス(幼児専用バス)で子ども達は、シートベルトをしていません。
幼稚園バスでシートベルトをしているのは運転手だけです。
幼児専用車でのシートベルトの着用は免除されています。
国土交通省、幼児バスの安全性向上で専用シートベルト開発へ―装備義務化など検討|GAZOO.com
【社会】幼稚園バスでの「シートベルト着用義務化」議論へ
NEWSあいむねっと 2ちゃんねるお祭りそなー
園児バスの後部座席シートベルトについて
- 教えて!goo
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ここがポイント!
今回の事件は、行政・警察・そして幼稚園自体が、このような結果を招いたとしても過言ではないほどの、状態にあるのだと感じます。
今一度、あなたの知っている幼稚園を、見つめ直してみてください。
ほったらかしでは、このよ |
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決して、2種免許だから良い、若いから良い、という訳ではありません。
1種免許だって、無事故で何十年運転してきた人もいます。
ですが、幼稚園バス運転においては、子どもの特性を把握しておくことがとても重要なんです。
→感想、お待ちしています。
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