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厚生労働省によると、92年に927人で全体の0.4%だった男性保育士は、02年には、4030人(1.3%)と4倍以上になった。
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という記事がありました。(2004/7/31 朝日新聞)
この統計が、有資格者全体の数なのか、実際に働いている者の数なのかはわかりませんが、数が4倍になったことは、「保育士」への名称変更に伴う認知度の向上とともに、「父親の育児」というようなTVCMがあったこと等が背景にあるように感じます。
しかし、数が4倍になったとはいっても、全体の1.3%にしかすぎず、全体から比べてしまうと、いないに等しいような値です。
それでも、年々採用も増加していることを前向きに考えたいですが、そうもいってられない状況があります。男性保育士の働く環境は、決して良好とはいえないんです。
まだまだ男性がいない園の方が多く、いたとしても園に1人。
「1人では男性の持ち味が活かしきれない」ということで、複数人採用するケースが多いようです。その為、いる所には複数いて、いないところにはまったくいないという、男性保育士の偏りが目立ちます。
それでも、父親を園に積極的に足を運び込むようにしたり、男性の見方で保育を行ったり等と、男性保育士への期待と役割は多いでしょう。
けれど、園に男子用のトイレや更衣室がないなどの施設的な問題点や、女の子の着替えや排泄補助などについて気にする親がいるなど、男性ならではの問題点もあります。
また、給与の面でも、保育園の初任給が15・6万前後。
男性保育者が家庭を養っていくことは、まず不可能です。
今後、どれだけ男性保育者のかかわりを認識してもらえるかにもよりますが、男性だからこそ出来る役割や男性が園に存在しているという意味等を主張していくと共に、保育の制度を考え直していく必要があると思います。
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